依存性のない睡眠薬 クービビック
通院されている患者さんのなかには、不眠に悩まれている方がとても多くいらっしゃいます。
なんとか寝れるようになりたいと睡眠薬を希望するものの、依存性が不安で飲むのが心配とお話しされる方が多いです。
処方する側としても依存性がないものをと考えているのですが、該当する薬はデエビゴ、ベルソムラ、ロゼレムの3種類のみと、選択肢が少ないため困っている状況が続いていました。
ここにきて、2024年12月にクービビック(ダリドレキサント)という睡眠薬が発売されました。
ちらほらと内服される患者さんが増えるにつれ、だんだんと特性や使用実感がわかってきました。
作用機序としては、オレキシンという覚醒を維持する物質の働きをブロックすることで入眠を促す薬剤です。
オレキシン受容体拮抗薬に分類される睡眠薬はデエビゴとベルソムラがありますが、それらと同じくらいの入眠効果があり、翌朝に残りづらく目覚めがいいようです。
デエビゴとベルソムラはいい薬なのですが、悪夢や金縛りといった副作用が一定数みられていて、それがネックとなり中断するケースも少なからずありました。
でも、クービビックは悪夢や金縛りの副作用の頻度は少ないようです。
これで依存性のない睡眠薬は4種類となりました。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬や非ベンゾジアゼピン系睡眠薬などを服用している患者さんのうち、少しでも依存性のないクービビック等に切り替えていければと考えています。