動悸が続く原因は?|甲状腺・貧血・低血糖・脱水・自律神経など医師が解説
「動悸が続くと、心臓の病気では?」
「検査で異常がないと言われたけど、まだ不安…」
動悸はとても不安になりやすい症状ですが、原因は心臓だけではありません。
甲状腺・貧血・低血糖・脱水・カフェイン・アルコール・不眠・自律神経など、体の状態や生活リズムでも起こります。
この記事では、まず「危険なサイン」を押さえた上で、
よくある原因とチェックポイントを、医師の視点で整理してお伝えします。
① まず確認:すぐ受診が必要な「危険な動悸」
次のような症状がある場合は、まず救急・循環器での評価が優先です。
□ 胸の痛み、胸の圧迫感、冷汗がある
□ 息苦しさが強い/横になっても改善しない
□ 失神(倒れた)/意識が遠のく
□ 脈が極端に速い状態(目安:120/分以上)が続く
□ 脈がバラバラで強い気分不良がある
□ 突然の悪化、もともと心疾患がある
上記が当てはまらない場合でも、動悸が続くとつらいですよね。
ここからは「心臓以外の原因」も含めて、整理していきます。
② 動悸の原因は大きく3グループ
動悸は、ざっくり次の3つに分けて考えると整理しやすいです。
A. 心臓の原因(不整脈など)
脈が「速い」「飛ぶ」「不規則」。発作的に出ることもあります。
B. 体の状態(心臓以外が原因で脈が上がる)
貧血、甲状腺、低血糖、脱水、発熱など。心臓が正常でも、体が脈を上げざるを得ない状態です。
C. 自律神経・不安・睡眠の影響
ストレス、不眠、過呼吸、パニックなどで動悸が出ます。Bの要因と重なることも多いです。
この中で見落とされやすいのが、B(体の状態)です。
次の章で「よくある原因」を具体的に見ていきます。
③ 心臓以外でよくある原因|甲状腺・貧血・低血糖・脱水 など
1) 甲状腺(バセドウ病など)
体が常に「アクセル」状態になり、動悸が出やすくなります。
一緒に出やすい症状:暑がり・汗・手の震え・体重減少・下痢傾向 など
2) 貧血(鉄欠乏が多い)
酸素を運ぶ力が落ちると、体は補うために脈を上げます。
一緒に出やすい症状:だるさ・息切れ・立ちくらみ・顔色が悪い/月経量が多い など
3) 低血糖(食事が不安定・間食不足など)
血糖が下がると交感神経が働き、動悸・震え・冷汗が出ることがあります。
ヒント:空腹時に出やすい/少量の食事で軽くなる場合は可能性があります。
※糖尿病治療中の方は特に注意が必要です。
4) 脱水(発汗・下痢・水分不足など)
体の水分が減ると血液量が減り、脈が上がりやすくなります。
ヒント:立ち上がりで悪化/口の渇き/尿が濃い/最近水分・塩分が少ない など
5) ビタミンB12欠乏(+葉酸など)
B12欠乏は貧血やしびれを伴うことがあり、動悸・息切れ・倦怠感などが目立つ場合があります。
一緒に確認したい症状:手足のしびれ/ふらつき/舌の違和感 など
6) カフェイン・アルコール・不眠
刺激物や睡眠不足は、動悸を増やす“燃料”になりやすいです。
□ カフェイン:動悸+不安感+眠りが浅くなる
□ アルコール:飲酒後~翌日の動悸(体質により不整脈が誘発されることも)
□ 不眠:交感神経が高ぶり、動悸が出やすくなる
「検査で異常がない」と言われた方でも、上の要因が複数重なって動悸が続くケースは少なくありません。
④ セルフチェック|当てはまるほど“生活・体調要因”の可能性
以下の項目にチェックが多いほど、心臓以外の要因が関与している可能性があります。
□ 空腹時に動悸が出やすい/食べると軽くなる(低血糖)
□ 最近、水分摂取が少ない/汗・下痢があった(脱水)
□ だるさ・息切れ・立ちくらみがある(貧血)
□ 暑がり・汗・手の震え・体重減(甲状腺)
□ しびれ・ふらつき・舌の違和感(B12など)
□ コーヒー/エナジードリンクが増えた(カフェイン)
□ 飲酒翌日に動悸が出ることがある(アルコール)
□ 睡眠不足が続いている/眠りが浅い(不眠)
⑤ 受診の目安|何科に行けばいい?
動悸は「何科に行けばいいの?」となりやすい症状です。目安をまとめます。
循環器・救急が優先
胸痛・失神・強い息苦しさ・脈が極端に速い/不規則が強い など(①の危険サイン)
内科での相談が向いている
貧血・甲状腺・脱水・低血糖などの可能性がある/採血で確認したい
心療内科・精神科で相談が向いている
検査で大きな異常はないと言われたがつらい/不安や不眠が強い/パニック発作が疑われる
当院でも、必要に応じて内科・循環器と連携しながら、
「不安を増やさずに、原因を整理する」ことを大切にしています。
⑥ いますぐできる安全な対策(できる範囲から)
□ 水分をとる(脱水が疑わしいときは少し塩分も)
□ 空腹で出るなら、少量の補食(低血糖対策)
□ カフェインは午後以降控える/エナジードリンクは避ける
□ 飲酒後に出るなら休肝+量を見直す
□ 睡眠不足の立て直し(まずは就寝時刻を固定)
ただし、強い症状が続く場合は、自己判断だけで抱え込まず受診をおすすめします。
